討竜の剣

死霊の山を下るにつれて、空気は悪くなっていった。

外套で口元を覆う。

だというのに、ざらついたような空気が気道を抜けていく。

…煙突から黒煙が立ち昇るのが見えた。

ここがドーラ。

世界で一番の技術を誇る産業地域。

そして世界で一番に滅びるであろう土地…。

「私の生まれた街は…この先にある…」

俺と同じように外套で口元を覆ったナハトが指差した先には、大きな湖があった。

そのほとりにある中規模の街…だった場所。

今は人口もごく僅かしかおらず、半ば廃墟と化しているという。

「…最初にはぐれ竜が辿り着いたのが…あの湖…そして竜はあの湖に垂れ流される汚水と…汚れた空気の影響で…僅か一週間で変異した…」

変異した竜は、これまでの竜種とは比べ物にならないほどの成長と獰猛さを見せる。

当然湖の近隣にあるナハトの住む街が、一番最初の被害を受けた。