討竜の剣

その言葉に、ナハトが息を飲んだ。

俺も同時に、ある伝承に思い当たる。

魔王の血を浴び不老不死になったと噂されている、四百年前のある勇者の物語…。

「貴方まさか…四英雄最後の生き残り…土の英雄…!?」

驚きに満ちた表情で、ナハトが呟いた。

「…四百年も経てば、土の民も変わるものだ…先程の大砲が科学の産物か…」

昔を懐かしむように、再生竜が言った。

「馬鹿な!」

俺は叫ぶ。

土の英雄はれっきとした人間だったと聞いている。

それが何故再生竜なんかに…。

「いまわの際とはいえ…邪悪な魔王の返り血を浴びたのだぞ…英雄とはいえ、人間がそんなものを浴びて、不老不死などという便利な力だけ得られる訳があるまい」

自嘲気味に再生竜は言った。

長い年月をかけて竜と化していく己の体。

世を儚み、自害しようにも死ねぬ身となった肉体。

最早人としても魔物としても生きていけず、彼は竜と呼ばれながら、この休火山で一人ひっそりと生き永らえていくしかなかった。

それが再生竜の正体。

この世界を救ったとされる英雄の一人、そのなれの果ての姿だった。