涼side

まだ、母さん達が生きている時。

俺が中学生で、絢が4、5歳の時の話。




「涼、起きなさい!!
出かけるよ!!」

「…うるさい…」

せっかくの土曜日で、しかも部活がない。


「起きてっ!!涼ちゃーん。」

ドスッ

「うっ…」

いきなりお腹の上に衝撃が!!


「…あ、絢…」

目を開けるとお腹の上に絢が乗っていた。

「起きて!涼ちゃん!!出かけるよ!!」

なんで、朝から絢がいるんだよ!

絢の親は土日も関係なしで、多忙なため常に俺の家にいる。



「おはよう…父さん。」

ソファーに座って新聞を読んでいた。

「おはよう、今頃起きたのか?」

「うん…」

「早く食べなさい!片付かないでしょ?」

母さんに叱られてさっさと朝ごはんを食べた。


「どこに行くの?」

「ショッピングモール。涼は絢とゲームセンターにいなさい。」

絢のお守りかよ!?

「涼ちゃん行こうよ!!」

俺の手を握って振る。

「わかった。今着替えてくるから!」

「早く!」

無邪気に笑顔を振りまく絢はとっても可愛い。