オジサンがあたしから振りほどこうと暴れた手が、あたしの頬にヒット。



「「「………。」」」

「……オジイさん、暴力なんて卑怯じゃない?ちょっと一緒に来なよ(怒)」



あたしは女子高生とオジサンの手を引いて、電車を降りた。



殴られた頬っぺたがジンジンと痛かったけど。



痴漢と女子高生を駅員に渡し、あたしはホームに戻った。



「こっからは…たったの3駅!」



学校まであと3駅。



遅刻確定、だけどね(笑)



先輩はいつも、朝練ギリギリの電車に乗るからなー。



「先輩先に行っててもらって良かったー」



もう練習してるかな?



あ、まだ学校着いてないか。



今日の朝の先輩笹も見逃しちゃった。



今日の先輩が、いつもよりカッコよかったらどーしよう。



“ゴチっ”



「何が良かったーだよ、おい」