部活も終了し、皆がぞろぞろ体育館を出ていく。
あたしは勿論、
「春先パーイ!」
素早く先輩を捕まえる。
「…ったく、どこ行ってもお前だな」
「先輩、駅まで一緒に帰ってください!」
あたしが笑顔で先輩を見上げていると、先輩は一度あたしを見て、
「断ってもどうせ、着いてくんだろ」
って、溜め息つきながらも一緒に帰ってくれる。
そんな先輩の、面倒見のいいところが大っ好き。
ホントはね?
あたしだって、ちゃーんと分かってる。
あたしは先輩の、“後輩”なんだって事も。
「好き」って言葉は、数や量が大事なんじゃない事も。
ぜーんぶ全部、知ってるんだ。
それでもやっぱり、伝えたくて仕方無い。
あたしはいつも、先輩が好きなんだよって。

