ティグは己の警鐘を信じて、ソレから逃げるべきであった。 仲間を殺された事への逆上からか、恐怖を拒否すると、ティグはソレとの戦いを選択する。 ティグなりの、意地でもあった。 迫り来る恐怖は、一定の速度で大地を進む。 その恐怖は、その人物はティグの反応を見て、初めて、人間らしい感情を現す。 笑っている― 頭から外套を羽織っているため表情はよくわからないが、歓喜しているのであろうか、肩が小刻みに揺れていた。