小競り合いは起こっているものの、喧嘩程度の争いであり、戦争と名付けるほど激しくはない。 しかし、徐々にドロ沼化する関係に、緊張感は増すばかりである。 もっとも、その緊張感を生み出している要因は己らにあるのだから、愚痴をこぼしても仕方がないだろう。 ティグは百人隊を連れ、引き絞られた弓矢のように、戦闘態勢をとっている。 かつての仲間に刃を向けるのは、さすがに気が引けていた。