今現在、この場に立つ者は闘華とブレイドの2人のみである。 互いの兵士は、別室にて待機しているのだが、隣同士でお互いに刃物を喉元に突き付けている状態と、かわりない。 集団では、1人の突発的な行動が口火になる可能性もあった。 砦を覆う緊張感は、表面張力のようにギリギリで保たれている。 「……敵対状態にあるというのに、和平を結べるとでも思っているのですかな?」 ブレイドは唐突に声を発すると、牽制するかのように問い掛けていた。