死神―



鬼鴉に憑く、守護神。


死神と言う呼び名は、全ての生物を呪うかのような響きを持たせていた。


聞く者を怯えさせ、見る者を恐怖させ、会った者を死殺する。



鬼人の発した死神とは、彼を含め、ロインと黒鬼の3人しか存在を知らないモノ―


ヒトの形をした器に暴力と殺意を詰め込み、さらに絶望と理不尽を組み合わせたモノ―


ヒトにして人に非ず、人に仇なすモノ―



悪では無く、邪悪―



鬼鴉を巡る様々なる陰謀は憎悪にまみれており、今、最悪最凶の存在が、動き出そうとしていた。