「元、味方だろう?」



鬼人は吐き捨てるようにして、呟く。


「ッ!?」


美しく整った顔を険しいモノに変えて、ロインは歯ぎしりする。


鬼人の、非情ともいえる言動はロインを苦悩させるに、事足りていた。


確かにお互いに譲らなければ、いずれかの暴力によって解決する術しか、ないであろう。


だが、ロインの苦悩する原因は、ソレではなかった。