「……ゴホンッ!!」 唐突に、不自然ともいえる咳ばらいが、闘兵衛とジェノスの耳に入る。 闘兵衛を搦め捕っていた目に見えない糸が、解けた。 ジェノスの誘惑を解除させた銃佐ェ門と皐月が、木々の間から、姿を現わす。 「ウチの仲間をからかうのは、勘弁してくれねぇかな……。船長?」 銃佐ェ門は苦笑いを浮かべ、ジェノスに声を掛けると、そのまま闘兵衛に近付いて行く。 このようなやり取りは、銃佐ェ門の方が得意なのであった。