「……復讐は、何も生まない。ヤり遂げても、虚しさしか残らんサ」 ジェノスとの距離を取ると、闘兵衛は過去を振り返るように語り、悲痛な表情を浮かべる。 嫌気がさした。と、いう所だろう。 しかし、その嫌気とは、自分の生み出したモノでもある。 根源は闘兵衛であり、巻き込んだ事、その螺旋の上にある事だった。 強さの根底には、憎悪や怨恨が存在している。 ジェノスの台詞、矛盾と言われても仕方ない。 矛盾こそ人間の原動力ではあるのだが、闘兵衛の発言は少しばかり意味が違っていた。