「……ヒュ~ッ」



呼吸を整えて、闘兵衛は大地を踏み締める。


港町から、少し山に入った森の中に闘兵衛の姿があった。


その姿は丹念に錬成を重ねるようにも見え、立ち込める闘志は森林を支配している。


紅拳との死闘は、闘兵衛に少なからず変化をもたらしていた。



最強―



最強の名に相応しい存在感、雰囲気がある。


本人が意識している訳ではないが、身に纏う空気が全てを物語っていた。