「粗茶じゃが、まぁ、飲みなされ」
老人はお茶を三人分運んでくると、闘兵衛にすすめてその場に座る。
「……桃太郎とは、兄の名前だ」
桃華はお茶を片手に掴むと険しい、苦虫を噛み潰したかのような表情で、闘兵衛の質問に答えた。
「兄……、か」
闘兵衛はそれ以上、何も聞こうとしない。
「……理由を、聞かないのか?」
桃華は会話が途絶えた事を不思議に思い、闘兵衛に問い返した。
「お前には、お前の戦いがある。という事だろ?俺がアレコレと言う資格は、ないからな……」
闘兵衛は桃華を見つめ、無表情ながらも口を開いていた。
