「爺ィっ!!」
桃太郎は老人を睨みつけながら、叱責の声を上げる。
恥の追い撃ち、という訳ではないが、身内にもそのような台詞を言われるとは、思ってもいなかったのだろう。
桃太郎の批難を避けるように、老人はペコリと頭を下げると、座敷から出ていくのであった。
「……話しが、逸れましたね?私の本当の名前は桃華、と申します」
桃太郎改め桃華は、心を落ち着かせるように、静かに口を開く。
「……ふぅん?じゃあ、桃太郎ってのは、誰の事なんだ?」
闘兵衛は、ふと、疑問に思った事を問い掛ける。
『スウッ』
突然障子が開き、先程出ていった老人が盆を持って入ってきた。
