「……この街の情報ならなんでも知ってるゼェ?そいつの飯の内容から、クソの回数まで、ナ」 紙洲の言葉に闘兵衛は、己の右手に握りしめた一枚の紙切れを見せ、問い掛ける。 「……俺の事も、か?」 紙洲は左手を差し出し、紙切れを受け取るようなそぶりを見せながら、問いに答えた。 「人相の悪いヤロウが、ウロついてるって、な」 闘兵衛は紙洲の言葉に、眉間に皺を作ると険しい表情で、右手に持つその紙切れを手渡しながら、ボソリと呟く。 「御見通し……、か」