「皐月、先頭と道案内を頼む。最後尾は……、俺が引き受ける」


闘兵衛は皐月に声を掛けると、自分の言葉が決定事項であるかのように、動きを待つ。


「……ハイ」


皐月は一つダケ言葉を返すと、銃佐ェ門に視線を送る。


「クッ……」


銃佐ェ門は一度だけ袖で涙を拭い取ると、禁を担ぎ挙げた。


禁を背中に背負い込み、銃佐ェ門はその重さを噛み締める。



皆が立ち去った後、禁の長巻きを闘兵衛は静かに拾い上げ、黙々と歩き出すのであった。