右の眼窩に指を掛けたまま、闘兵衛は紅拳を強引に自分の方向へと、振り向かせる。 野蛮な行為は、明らかに紅拳の眼球を潰し、失明を促す。 「……っ!!」 右眼から血を垂れ流し、無防備に向き合う紅拳に対し、闘兵衛は統べてを凌駕する右上段廻し蹴りを放っていた。 (……っ死) 『ベキィッンッ』 闘兵衛の蹴りが、紅拳の頭部を弾く。 紅拳の意識は、そこで途切れる。 闘いは、終わったのだ。