恐怖、戦慄― ソレらを超越したナニかが、紅拳の中で膨らむ。 「~ッ化け物めっ!!」 紅拳は顔面を血で染めながらも嗤う闘兵衛に、激しい嫌悪感を持って罵っていた。 その言葉は闘兵衛を評するモノで、最も適切であろう。 仲間から化け物と評価されている紅拳が、闘兵衛をそう揶愉したのだ。 その言葉の重みは、半端なモノではない。 普通の人間なら全身打撲で瀕死、明らかに人間としての耐久度を超えている存在に、身震いした。