『ギャリィィンッ』



甲高い金属音が鳴り響くと、皐月の大太刀が火花を散らす。



―1人対30人―



「くうっ!?」


予想外の敵兵の多さに、皐月は舌打ちする。


鉄格子の罠から、からくも逃れた皐月は闘兵衛らと合流する為に、洞窟内の廊下を突き進む。

だが、遭遇したのは雲海の如く溢れ出る、雑兵であった。


迫り来る敵兵と距離を計りながら、皐月は後退を繰り返す。


「ココまでですね……」


人形のような表情を凍り付かせ、皐月は呟く。

皐月は壁を背負いながら大太刀を中段に構え、敵の攻撃に備えた。