床を、大地を踏み締め放った紅拳の背撃は、確実に闘兵衛へ鈍痛な衝撃を残していた。 「クゥッ……!?」 闘兵衛は腹部を押さえつつ構え直し、紅拳を凝視する。 体躯は闘兵衛と同じくらい、体重は遥かに軽いだろう。 しかしながら、大樹に押し潰され圧迫されたような衝撃である。 「……こんなモノでは、無いでしょう?貴方の力を見せて下さい」 淡々とした口調で語り出す紅拳は、闘兵衛の視線を真っ向から受け、静かに歩を進めるのだった。