「……っ!?」


十字路を塞ぐような鉄格子を睨み、皐月は呻く。


周りに、仲間はいない。

どうやら捕獲、分散する事が目的の罠だったのであろう。


闘兵衛の警告により咄嗟に反応は出来たのだが、その後の仲間の動向はわからなかった。


(マズイ、ですね……)


皐月は素早く思考を巡らすと、行動を始める。


全員が危機に陥っている事は明確であり、自分もその状態に追い込まれている事は、火を見るよりも明らかであった。


皐月は背中の大太刀に手を掛けると、廊下を駆け出す。


闘兵衛らと合流を果たす為、そして、迫り来る敵へと対抗する為に、皐月はただ走るのだった。