「……鬼鴉の奴等、見張りにも立ってやせんゼ?まるで、てぐすね引いてるようで……」 「罠、だとしても……、トウベェは行くヨ」 ヴォルトの低い声による問い掛けは、ジェノスの即答により、あっさりと切られる。 「願おうじゃぁないか?アイツらが無事に帰って来る事を、ネェ……」 ジェノスは星空を眺め、暗闇に眼を凝らす。 すでに、小船の姿は見えず、ジェノスはただ黒い海を見つめるだけであった。