舞台は、戻り―



真言の教団の島、港。


金、銀、宝石。


ソレらの財宝を、手際良く建物から運び出す海賊集団を横目にしている、ジェノスら一行の姿があった。



「……約束通り、お宝はイタダイていくよ」



財宝を目の前に上機嫌なジェノスは、ルソウに声を掛ける。


「アレは我々に、無用の長物です……」


まるで不必要な物を棄てるかのように、ルソウは呟く。


「大司教が死んだイマ、人心を惑わすモノは無い方が良いでしょう」


ルソウは淡々とした口調で答えると、平然と海賊達を見詰めていた。