「闘兵衛、か……」



洞窟内の廊下を歩く紅拳は、その名を呟くと軽く震える。


武者震い、だ。


(……アノ男が、現れるとは……)


「フフッ」


思考を巡らせる紅拳は、自然と笑みを漏らす。


体捌き。


技の鋭さ。


殺気。


どれをとっても、超一流といえる男がやって来るのだ。