「……鬼鴉の、為だ」 鬼人は無表情で言い放つと、そのまま机の上に、肘を立てる。 鬼鴉という組織を使わないと言いながら、鬼鴉の為と言い切る、ふてぶてしいまでの態度だった。 「イイ、でしょう。それほどまで言うなら、私が殺りましょう……」 冷酷なまでの表情で紅拳は口を開くと、さらに問い掛ける。 「……では、私の相手の名前を、お教え下さい」 表立って、口にする事の出来ない任務。 暗殺。 ある種の不名誉な役割を命じられた紅拳は、鬼鴉にとっての裏の仕事を引き受けるにあたり、相手の名前を尋ねた。