「……戦場の?後ろから斬ったり、丸腰の人間を相手にする事だろ?」
闘兵衛は馬鹿にするように、相手の精神状態を揺さぶるような口調で剣山に、声を掛ける。
自尊心の高い人種、武士に対して、最も効果的な先制攻撃であった。
「……基本じゃのぅ?」
剣山は、普通に答える。
逆上する訳でも、無視する訳でもなく、ただ普通に答えた。
つまるところ、その程度で揺らぐほど剣山の心構えは、小さくない。
闘兵衛は、狡猾で、非常に厄介な相手である剣山に対し、冷笑するしかなかった。
(……大振りっ!?)
次の瞬間、剣山が大太刀を右から左へと闘兵衛の首を薙ぎ払うように、振るう。
動作の大きな振りであった為、闘兵衛は素早くしゃがんで大太刀を避けていた。
ソレと同時に、剣山との間合いを詰めるように、大きく一歩、踏み込む。
