闘兵衛と剣山の二人は、街外れの少し広がった草地に辿り着いていた。
「あんた、鬼鴉だな?」
闘兵衛は剣山との距離を計りながら、確かめるように口を開く。
「……鬼鴉を統べる者として、我等を狙う者は、捨て置けん」
その言葉からわかるように、剣山が闘兵衛の家族を殺害した犯人では無いと、伝わる。
互いに背負いしモノは、業。
鬼鴉という呪われた名前は、関わる者を全べて、不幸に陥れる。
剣山も闘兵衛との距離を計りながら、肩に担いでいた布袋から、ズルリと棒状の物を取り出す。
ソレは、太刀であった。
厚みと幅が、通常の太刀の二倍もある厚拵えの、大太刀である。
剣山はその大太刀を鞘から抜き放つと、手に持つ鞘と布袋を地面へと投げ捨てた。
――戦闘開始――
そう判断した闘兵衛は、剣山への殺意を一瞬で高め、臨戦体勢をとる。
「フム、見事じゃのぅ?知り合いだからという、甘さがない。大阪の陣から数十年……、戦場の剣を見せてやろう」
闘兵衛の殺気に反応した剣山は、少しだけ関心しながら口上を述べると、大太刀を中段に構え間合いを詰めた。
