「いろいろと、調べましたから……」 淋しげな口調で、皐月は自分の中身を少しだけ、さらけ出す。 「私も仕えていた主を、闘兵衛殿に殺されましたからね……」 「っ!!?」 皐月の抱える過去に、禁は驚く。 「ナゼッ!?」 禁は無意識の内に一言、呟いた。 仇でもある闘兵衛に皐月が従っている事へ、疑問が湧いたのであろう。 「……戦って自分が命を落としたとしても、彼を恨むな。と、指示を受けました」 皐月は表情も変えずに、一度だけ眼を綴じ、答えるのだった。