「……身体能力は常軌を逸しており、肉体の限界を超える動きは、いずれ自分の筋肉を引き裂き、骨を砕く……」 麻薬中毒者の成れの果てを知るジェノスは、簡単に症状を並べる。 「器にそぐわない力は、副作用を、及ぼす……。だろう?」 そうまとめ、ジェノスは言葉を切った。 「……えぇ、そのとおりです。薬で得た効力は、人の身を滅ぼします」 さらに暗い表情を浮かべて、ルソウは己の同朋の果てを答える。 「フン……」 冷めた眼で鼻を鳴らし、ジェノスも地面に腰を下ろすのだった。