「そんなモン……、知るかよ」 闘兵衛は禁の激情を、たったの一言で一蹴する。 禁の事情などに、係わるつもりは無かった。 「貴様に分かるワケが、無いだろうな?……日本で、ヌルイ人生を送っていたんだろう?」 「……」 禁は見下した眼で睨んでいるが、闘兵衛はただ黙ってその視線を受けている。 「……俺はこの疵と共に男として、生まれ変わったんだ」 自嘲気味に笑う禁は、己の疵痕を左手でなぞり、呟いた。