「ようっ!」
不意に入口に人影が現れると、挨拶がてら声を上げた。
長屋の主人で、岡っ引の紙洲である。
紙洲は、闘兵衛と桃太郎の二人がいる事になんの疑問すら持たず、自分の席に腰を下ろす。
全て了承済み、と、いう事なのだろう。
二人の存在がココに居ると解っているからこそ、戻って来た。
お見通しの紙洲と呼ばれる、由縁である。
紙洲は一呼吸つけると、闘兵衛に視線を送り、勿体振るかのように口を開いた。
「……良い情報と、悪い情報があるゼ」
闘兵衛は紙洲の視線を受け取り、返答する。
「教えてくれ」
闘兵衛の言葉に紙洲は軽く頷き、話し始めた。
「鬼鴉を見つけた」
