「……ッ貴様に、ナニが分かるっ!?」 左手で疵を抑えたまま、禁は怒声を上げる。 「……」 闘兵衛は無言のまま、禁を見つめていた。 「父親を殺されて、船と仲間を失い……、女としての喜びも奪われたんだっ!!」 禁は左眼の疵をむき出しにしながら、吠えるように闘兵衛に喰いかかる。 「ソレがっ……、貴様に分かるのかっ!?」 えぐり出すように尋ねる禁の表情は、憎悪と悪意で醜く歪む。 感情の荒波が、その場を支配するのだった。