「……随分と、鼻がキクらしいな……」
何度目かの遭遇の後に、闘兵衛はボソリと呟く。
「「?」」
その言葉の意味が理解出来ずに、禁とトゥルウは首を傾げる。
「坊主……、その短剣を貸せ」
闘兵衛はトゥルウへ顔を向けると、不意に声を掛けた。
「イヤ、です。それに、私は坊主ではありませんっ!!」
トゥルウは露骨に不機嫌な表情を取ると、反論の言葉を吐き出す。
「……闘兵衛、どういう事だ?」
トゥルウをなだめると、禁は冷静に尋ねる。
「ヤツらの狙いは、その短剣みたいだ……。それなら、鼻を狂わせ徘徊させてやる」
闘兵衛は無表情のまま、眼光鋭く森を睨み、口を開くのだった。
