「ハイッ。……トゥルウを含め3名を、誘う者が追尾しているんですが、その……、逃げ足が速く今だに捕らえきれていません」
若い男は申し訳なさそうに語尾を下げながら、口を開く。
「「……」」
長い沈黙が、部屋を支配する。
「教主、どちらにせよ、嵐はやって来る。待ち構えていれば、全てを解決出来るだろう……」
唐突にサブマージは教主に向かい、声を掛けた。
「……勝てるのか?」
睨みつけるようにして、サブマージと視線を合わせ、教主は問い掛ける。
「本物の戦士を、見せてやりますよ……」
サブマージは冷笑を浮かべ呟くと、静かに立ち上がり、部屋を後にするのだった。
