「……ジェノス。皆殺しのジェノスだ……」 若い男の報告に対して、サブマージは少し考え込むと、思い出したかのようにボソリと呟く。 「ジェノス?」 眉を釣り上げて、教主はサブマージが呟いた名前を問い返した。 「……こいつは、台無しだ。災厄が現れたゾ?」 教主の質問に答えずに、サブマージは半ば諦めたように、口を開く 「鏖ろしの、ジェノス。海賊船の船長でもあり、紅い瞳に白い長髪、暗褐色の肌……。超有名な、殺戮の女神だゼ」 サブマージは冷笑を浮かべ、ジェノスについての説明を声にしていた。