その建物は山奥にあり、密林の中に囲まれるように、存在している。


大聖堂。


真言の教団の本拠地でもあるその建物の一室に、2人の男の姿があった。



「二手に別れ、行動しているらしい……」


大層な青い法衣を着込んだ男が、ウロウロと落ち着き無く歩きながら、声を発する。


「宝剣は、どうなってるんだ……?」


一方の鎧とバスタード・ソードを装備している男は、豪華な椅子に深く腰掛け、落ち着いた様子で問い掛けた。


装飾品で彩られたその部屋は、一般の教団関係者が入れない程の豪華さがある。


明らかに、部屋の持ち主が有力な人物である事を物語っていた。