街の外れの、一角にある蕎麦屋に闘兵衛と剣山の姿がある。
お互い向かい合い、椅子に腰掛け座っているのだが、どこか、距離をはかるような、対峙にも似た状況を生み出していた。
「ここの蕎麦は、なかなか旨いと評判じゃ……。遠慮せず、食べなさい」
剣山は湯気の上がる蕎麦を目の前にし、闘兵衛に促すように薦める。
「……」
闘兵衛は返答もせず怪しんだ顔で箸を取ると、サッと蕎麦を掴み、口に運んだ。
「ッ!?……旨い」
箸を止め闘兵衛が蕎麦の味に唸り声を上げると、剣山はさらに笑顔をほころばせ頷く。
「では、儂も頂くとするかの……」
蕎麦に箸をつけ、剣山は麺をすすり始める。
闘兵衛もそれを確認し、続けて箸を進めた。
