山間の雑木林が密集する窪地に、男女3人の姿があった。
その3人に合流するように、一つの人影が密林から現れる。
「駄目ですね……、やはり見失いました」
影から実体に戻り、姿を表わしたのは皐月であった。
皐月は首を左右に振り、目的のモノを発見できなかった事を、報告する。
「そっ、そんなぁ……。トゥルウ様は……!?」
ルソウは焦燥し青ざめた表情で、皐月へと問い返す。
「……闘兵衛が、脇に抱えて逃げてたぜぇ?」
山間を走り廻り、疲れ果てたのか、ゲンナリとした表情を浮かべ銃佐ェ門は、ルソウの危惧する事に答えていた。