「信者から金品を巻き上げて私腹を肥やし、私設兵士を雇っています」 ルソウは自分らと大司教側の違いを強調するように、声にした。 「そこには、信仰はありません……」 「!?」 ルソウの弁明中、最初に異変に気付いたのは皐月である。 皐月は素早く扉を開け、闇夜に視線を送った。 月明かり照らす街道に、先程のルソウと同じように、人の姿がある。 その人物は頭からボロ布を被り、ただ静かに夜風に揺られながら、その場に立ち尽くしていた。