「俺は、闘兵衛……」 青年、闘兵衛は腕を組みながら無表情で自分の名を呟く。 外套の下から現れたその腕には、厚手の手甲が巻かれていた。 「さっそく、尋ねさせてもらう……」 桃太郎に背を向けると、闘兵衛はさらに続ける。 「役にたったら、飯でも奢ろう」 桃太郎は苦笑を浮かべ、闘兵衛の後ろ姿を見送り呟いていた。 「期待、してるよ……」