「……何故、父上がこの短剣を持っていたかは、わかりません」 ジェノスの指摘に対し、トゥルウは言い訳がましく、口を開く。 「儀式の時に、使用していたのですが……」 トゥルウは表情を曇らせると、自分に語り掛けるように呟いた。 「大司教は神卸しの短剣の効果に似た薬を作製すると、神水として信者に与えて、教団を手中に治めたのです……」 ルソウは怒りを抑えるようにし、トゥルウの言葉を補足する。 「薬漬けの教団か……」 複雑な表情を浮かべて、ジェノスは肩を竦めながら、心底イヤそうに呟くのだった。