「フフッ……」


ジェノスは腰まで伸ばした白髪を大きく揺らしながら、不敵に笑う。

連続で繰り出す斬撃を、見事に鉄甲で防ぐ闘兵衛を観て、歓喜していた。



2人の闘いを観戦している禁の背中に、冷や汗が流れる。


(……戦っていたら、殺されていた……)


禁は険しい顔で、歯ぎしりをした。

恐怖は複雑なほど、精神を傷つける。


確かに油断している部分もあった。しかし、ソレを省いた所で、あの双剣を防げるとは思えなかったからだ。