闘兵衛は外套を脱ぐと、皐月に渡しながら、さらに口を開く。


「……皐月が気に病む通りだゼ。あの女、相当に厄介だぞ」


闘兵衛は、ジェノスを睨み付ける。

ジェノスの立ち居振る舞いには一分の隙も無く、これから行われるであろう事を、期待しているようでもあった。



「とりあえず、警戒だけはしといてくれ……」


闘兵衛は銃佐ェ門らに声を掛けると、ジェノスに相対するように、歩を進める。



「アンタ、素手かい?」


ジェノスは、武器を持たない闘兵衛の姿を見て、少し落胆したかのように声を掛けた。