その無表情の皐月が、多少慌てて口を開く。 「……港に、あの黒船が現れました」 「なにぃっ!?」 皐月の言葉に対し、終始冷静だった闘兵衛が過剰に反応する。 「渡りに舟。ってヤツだな?……運がイイ」 しかし、すぐに冷静さを取り戻した闘兵衛は、腰程ある外套を羽織りながら、ボソリと呟く。 「……」 皐月も闘兵衛の後に続くように、歩き出す。 「鬼鴉……」 闘兵衛は、聞き慣れない不吉で不気味な名前を、声に出した。