煉瓦と粘土で造られた家並みに、石畳で整地された通路。 とある港町の一角を、2人の男女が歩いている。 「……調子はどうだ?」 男の前方を歩いている女が、口を開いた。 名を、禁という。 黒髪を肩まで伸ばしており、歌舞伎役者のような髪型をしている。 よく整った顔立ちは美形の部類に入るのだが、惜しむべきは、左目近辺を包帯で隠している事であろう。 身長は成人男性より頭半分程高く、その身を鎧と長い外套で覆い隠している。 長巻という武器を片手で肩に担ぐ大柄な人物なのだが、れっきとした女性であった。