「……総帥からの辞令は下しました。それでは、各自、命令を実行して下さい」
その沈黙を了承と受け取ったロインは、今一度、言葉を発し、頭を下げてその場を去ろうとする。
「……紅拳殿、後は頼みましたよ」
ロインは紅拳の脇で立ち止まり、静かに呟く。
「心得た」
紅拳は目を綴じ、言葉短く返答する。
『ガチャリ』
ロインは向き直ると全員に向かい敬礼し、扉を開け廊下に出ていった。
勝利を収めたのもつかの間、冷水を浴びせ掛けられたかのように、凍えあがる。
士気が下がる事は組織として、好ましくない。
しかし、机の上で報告書に目を通すダケの人間とは、温度差が違った。
