「……兵力を三分割し、砦での迎撃。伏兵による挟撃。手薄になった城への占領行動をとる」
鬼人の視線を受け止めると、ロインは起死回生の打開策を読み始める。
「作戦名、釣り野伏せ。砦での迎撃がこの作戦での最も重要な点であり、ブレイド、闘華両名の部隊がこの任務に就いた」
「フム……」
ロインの言葉に、鬼人は興味深げに頷く。
「砦の迎撃部隊につき、死者24名、負傷者57名の損害はありはしたものの、蛮族の殲滅、無血開城を果たす……」
一つ間を空け、ロインは非常に困難な現実を打破した人間の名前を、口にする。
「作戦発案者は、親衛隊隊長代理、闘華殿」
ここまで言うと、ロインは複雑な表情を浮かべ、鬼人に視線を送った。
