鬼 鴉【総集編】



「……全て、親衛隊隊長代理、闘華殿の発案によるモノである」


「……」


統べてを紡ぐ紅拳の解答を、ロインは締め括るように口にする。

そんなロインの報告を、鬼人は眉一つ動かさずに聞いていた。



何事にも、その結末に致るまでの道筋が存在するのだが、喉元過ぎれば、と、いうモノでもある。

真実を捩曲げて、過程をでっちあげるのも、人間の悪癖だ。

ただ、終わり良ければ、というモノでもない。

いくら手柄を訴えても、ソレに致る公式を持ち合わせていなければ、誰も納得させる事は出来ないと、いえる。



「さすが、鬼人様の妹君ですね……」


「昔の戦国武将を模倣したか……、続けてくれ」


ロインの言葉を受け流すと、鬼人は独り言のように呟き、先を促した。