「これが、……戦……」



闘華は口元に残る反吐を拭い取り、呟く。


その殺人は当然、といえるほど、鬼鴉の兵士達は平然としている。

戦争に慣れた、人の生命を尊重しない行為。


闘華は、自問する。


己の生命を賭ける理由、信念に基づいた戦い。


覚悟を打ち消す、現実。


己が目指すモノは否定され、虚しさだけが支配する。



うずくまり、呻き続ける闘華を、紅拳はただ静かに見守るのみであった。